車のメンテナンスDIYのページ
自分の作業記録、覚え書きでもあります
当コンテンツはあくまで一個人の方法です。
万一鵜呑みでやられて失敗しても責任取れません。
あくまでも自分の作業は自分の責任の上で。
・再びの車高調サス導入
オーリンズの純正形状ショック+STiのラリー用スプリングで長らく楽しんできましたが
色々突き詰めていくと純正形状ならではの問題が色々と出てきました。
問題点
・スポーツ走行をするとロールが多い。そのわりにはゴツゴツしている
→倒立ショックのフリクションが多い
(オーリンズはまだ良い方ですが・・・)
ストローク設定、特にフロントがナンジャコリャ?な設定で、
1Gでバンプタッチまで5mm位しか残っていない
仕様変更をかけようと相談してみましたが、ストローク配分の変更は難しいとのこと・・・
・車高を色々と変えて挙動を変えたい
→車高を上げる方向ではいじれるが下げる方向はかなり難しい
・・・といったところが主に問題となり始めていました。
そんなときに、他の車種ですがストリート向けの車高調をリセッティングしてサーキットまで
楽しめる足回りにして楽しんでいる人達がいるのを見つけました。
そこで、今まで色々とやってきた自分なりのノウハウ+αで同じことが出来るんじゃないのか?
・・・と、チャレンジしてみました。
序:ベースとなる車高調キットの選定
ここが一番肝心なところです。
世の中には沢山の車高調キットが出ています。
今回選定したのは下記の条件で探しました。
・正立式ダンパーであること
→倒立式がストラット形式では今の主流ですが、どうしてもフリクションが多い。
サーキット、ジムカーナだけならゴツゴツな足でも良いですが
ドライブ用途を捨てられないのでゴツゴツなショックは嫌。
・全長調整式であること
→マスト条件ではありませんが、あるに越したことはない。
ただし、このためにストローク長が犠牲になっているものはNG
世に出回っている車高調はそんなのが多いですが・・・
・ホイールストロークが最低でも100mmは欲しい
→経験上、リヤのリバウンドストロークが50mmを切るとインリフトしてすっぽ抜けるため。
GC8ではアシストスプリングを使うか5k程度のバネレートが良いところだと思う。
・出来れば後々仕様変更が出来ると良い
→車高は大方決まってしまえば全長調整はほとんどしません。
その時に可能な範囲でケース長は長い方が良いし、ストロークも長い方が良いので
そこに合わせて寸法を変えて設定したい。
・価格はそんなに高くないこと
オーリンズのオーバーホール代程度で買えると嬉しい。
・・・といった条件で色々と探してみると・・・
・ブリッツ
ZZ-R
・ラルグス SpecS
・テイン FLEX
Z
このあたりが候補に挙がってきました。
このうち、
・ラルグスは仕様を問い合わせても非公開
・ブリッツは多分ラルグスのOEM
・テインは寸法をきちんと教えてくれて、仕様変更も可。
寸法もロッドストロークが少し物足りないものの、一応100mmはクリアしている。
ということでテインのFLEX
Zを候補として上げました。
検討:バネレート、バンプラバー長の検討
メーカーから教えてもらったストローク長からバネレートを検討します。
FLEX
Zの吊しは、前:6k、後:4kです。
これを自分の車両の軸重で計算してみると・・・
リヤはまあまあ。でもノーマルと同じが少し物足りない設定。
フロントは1Gで既にバンプタッチ。
・・・というナンジャコリャ?な設定でした。
#多分、車高をベタベタに下げることが主目的で
#ロールは悪、ゴツゴツの足がスポーティーで良い足だって思っている人が多いからかな?
検討した状態から想像するに、
吊しのままで組み込んでしまうとゴツゴツのガタガタで乗り心地は最悪、
走ればクイックな初期応答だけれど滑り出すと唐突でピーキーな足回りになってしまうはず・・・と予想。
#良く、しなやかな足回りとか言うけれどこんな設定ではねぇ・・・リジッドサスと同じだと思います。
そこで、自分なりの用途に応じてバネを変更します。
軸重と、ロッドストローク、受ける荷重から計算してみたところ・・・
前:9k位、後:5k
このあたりのバネを使い、
バンプラバーの寸法を適時変更することでミニサーキットまで耐えられる足になりそうかな?
大方算段が付いたところでFLEX
Zを購入しました。
導入1:現物を分解して寸法、各部の確認
吊しのFLEX Z
いきなりバラバラにし始める(^^;
一応、教えてもらってはいるものの各部の作りなどを確認しながら採寸していきます。
大方最初の計算どおりだったので、スプリングを別途手配します。
スプリングは新品である必要はないので中古品にて調達しました。
スプリング選定の注意点ですが・・・
ロッドストローク長<スプリングの許容作動長
であること
この点に注意する必要があります。
堅いバネに変えると許容作動長が短くなり、自由長を長いものに変える必要があることが多いです。
そうすると今度はタイヤと干渉したり、車高が下げられなかったりと色々と弊害が出てきます。
選定に関してはなかなかに悩ましいところではあります。
その中で色々と探してみたところ、
ハイパコのバネが短い自由長でありながら許容作動長が長かったのでフロント側に選択しました。
リヤはテイン製のバネをチョイス。
テインのバネは吊しのオマケバネと思われているようですが、
同じ自由長、バネレート比較であれば有名なスイフト、ベステックス等よりも
許容作動長が多いものが結構あります。
どちらも中古のスプリングはあまり人気がないようで
新品の1/5〜1/2程度の価格で購入できるのが良いですね。
特にテインのバネは捨て値状態で2000円も出せばそれこそ選り取り見取りです。
安いので色々と買って試せます(^^)
制作当初は干渉等を心配して吊しと同じ自由長を選択していましたが、
クリアランス等を確認して途中から前後ともテインの長い250mmバネに変えました。
長いバネのほうが乗り心地という点では有利らしいですが、
反発具合が少し違うように感じる位だったかな・・・?
一番変化するのは底突きするかしないかだと思います。
バンプラバーは適時カット
あまり切りすぎると激しく天突きしてボディやショックを破壊してしまいます。
安易にカットするのはお勧めしませんが自分の計算では吊しは少し長すぎるのでカットしました。
ここについては実際に走ってまた調整していきますので予備部品としてテインの通販で購入しておきました。
ちなみにテインのバンプラバーはかなりカチカチのコチコチです・・・
私が乗っても殆ど縮みません。
吊しのインプレではしなやかとか書いてる人が多いですが、
GC8の吊しの足回りに限って言えばフロントはバンプラバーで常に走っているわけで、
ふ〜ん・・・これがしなやかなバンプラバーなんだ・・・(^^;
ケースに回転位置のマーキング
ネジピッチが2mmで切られています。
寸法管理のために基準位置をペイントマーカーで記入しました。
同じようにスプリングシートにも基準位置をペイントマーカーで記入しました。
組み直したFLEX
Z
車体に組み込む前の準備はこれで完了です。
いよいよ車体に取り付けていきます。
導入2:車体組み込み、車高調整
組み込みそのものに関しては私のHPの記事であれば、
インプレッサのメンテナンスDIY記事のその2、14、29あたりを参照ください。
1/2sqの力が掛けられる工具、
アッパーマウントを脱着するのにセミディープソケットとギアレンチがあれば交換出来ると思います。
減衰調整の延長ケーブル
テインでも特注扱いで販売してくれるようなのですが、
EDFCを売りたいからか購入方法が色々と面倒だったのでネットで調べたところ
KTSというお店のオリジナル車高調の延長ケーブルが流用できるとのことで購入。
こんな感じで装着
リヤのトレーの一部をV字型にカットして装着しました。
この延長ケーブルは流用して使えるというだけで、FLEX
Zに装着すると深さが少し深かったです。
そこで私は手持ちのラジコン用のアルミスペーサーを2mm程噛ませて装着しました。
ブレーキホースクランプが少々きつめ
オーリンズやProvaのeifelに比べるとブレーキホースを固定する板状のクランプが少々きつめでした。
上手く合わせ込んでプラハンで軽く叩いて押し込みました。
車高の初期調整がとっても大変!
最初の希望する車高に合わせるのが特に大変だったかな?
何度もウマから降ろしたり上げたりするのは大変なので、
ウマに載せた状態でジャッキをナックル部分に当ててホイールを仮止め
持ち上げて仮の1G状態にしてフェンダーアーチ〜ホイール下端の寸法を計測。
大方希望の値になったらもう片方も同じ寸法に合わせて・・・
というのをやって、最後にサスアームのゴムブッシュ部分のボルト類を1Gで締め付け直しました。
まずはこのくらいの車高からスタートです
見た目で行けばもう少し下げたいところですが
ダウン量は、今までの経験からGC8インプレッサについては
・フロントは下げすぎると(大体タイヤとフェンダーの隙間が指1本くらい)
あるところから急にイン側に切れ込むような挙動が出る。これがとても怖い。
・リヤはアームが簡単にバンザイ方向になってしまい、ロール剛性が落ちる。
車高はほぼノーマルと同じ程度にしか出来ない。
こんな感じであるのが解っているのでリヤ10mm、フロント10〜15mmダウンでスタートしました。
中古バネを使いましたからそんなに初期馴染みはないだろうと予想していましたが・・・
リヤのスプリングシートのゴムが初期馴染みで結構潰れたようで、
1タンク位走ったところ車高が下がっていてバネがガタガタに遊んでいました。
これを調整したり、ブレーキ等の挙動から前後車高をいじったり、
走った感じで前後トーを調整したりして大体3ヶ月位?
の間はちょこちょこといじってたかな?(^^;
ストロークチェック
サーキットで縁石カットをしてしまうとバンプタッチしてしまいますが、
ジムカーナ練習会では特に問題ない様子。
普段乗りでもこんな感じで前後共に10mm弱位はバンプストロークには余裕がありました。
ここは自分が机上で計算したとおりの結果なので思わずニンマリ。
この状態で乗った感じはというと・・・
バネレートがノーマルよりも倍以上になっていますし、
総ストロークも減っていますから乗り心地そのものは勿論硬い感じです。
ただ、ノーマル足を含めて今まで使っていた多くの足回りで感じたギャップなどでの
ガツン!
という強い突き上げ感はありません。
荒れた路面でもドスドスと足回りが受け流しながらフラットに突き進んで行く感じなのは予想通りといったところ。
意外だったのが砂利道で相当に乗り心地が悪くなるんだろうと思っていたのがノーマル以上に普通だったところかな?
勿論、大きな凸凹はそれなりにゴツゴツしますが、純正のゴツゴツ感ともまた違う感じ。
正立式の足回りで動き始めのフリクションが少ないのも効いているんでしょうね。
サーキットやジムカーナで振り回して走った感じは、まるでノーマルの延長のような挙動って感じです。
ノーマルだとストロークを使い切ってしまい、滑り出すところでもまだまだハンドルが効く感じ。
過去の車高調等で感じたロールは少ないけれど滑り出しが唐突な感じは全くないです。
ジムカーナ練習会での走行画像
車高調でこのバネレートとしては結構ロールしてるんじゃないかな?
と思います。
滑る時は滑るし、粘る時は粘る。
その度合いは運転手の操作次第・・・って感じに仕上がりました。
タイヤの減り方もかつて無いほど綺麗です
こんな感じでとても運転はしやすくなり、それはタイヤの減り方にも現れてきているのですが・・・
タイム的にはもう一声いかないのかな・・・って感じ。
こればっかりは運転手の問題なのかな・・・?
運転操作もそうですが、
それに併せた前後トー、キャンバー、車高バランス等々をもっと詰めて行かないともう1つ上には上がらないんでしょうね。
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