DIYメンテナンスのページ(Ninja ZX-14R編)
Ninja ZX-14R関係のメンテナンス記録です
お約束ですがDIYはあくまで自己責任にて
・燃料フィルター交換
私が所有しているサービスマニュアル(Fourth Edition. Apr.25 2013 英語版)
には燃料フィルターの交換については下記のようになっています。
燃料フィルターは燃料ポンプAssyに組み込まれているため分解、清掃はできない。
異常がみられる場合にはポンプAssyで交換する。
という旨の記載はありますが、いつの頃からか燃料フィルターキットとして部品が販売されていることを知りました。
また、リンクさせてもらっている長野二輪さんの記事によると
2016以降のZX-14Rのサービスマニュアルには24000km毎に交換しろとの記載があるらしいとのこと。
燃料ポンプの品番が途中から変わっていて対策部品が出ているようだし、
フィルターが詰まるというトラブルもたまに目にします。
自車では特に影響は出ていませんが5万km走行していますし、
車等では10万kmに一度程度の燃料フィルター交換指定をしている場合が多いことを考えて
エンジンを回して乗るバイクの場合には5万km程度で交換してみるかといったところで交換をしてみました。
交換後にこの記事を書いていますが、
正直、非分解を前提としているポンプを分解している感じが散見されて作業はやりにくいです。
破損等に充分注意をして作業をしてください。
・タンクを車体より取り外します
最初から難関です。
ガソリンが沢山残っている場合には作業が出来ませんので
燃料の残量警告が点滅するくらいまで減らしてから作業をしましょう。
シート、サイドのフィンカバー、カウル内張り左右、タンク前側のカバーを外します。
このあたりまでは良くやる作業ですね
・タンクを止めている前後10mmボルト4本を外して、燃料ホース、ブリザーホース、配線類を外します
最初の関門その1
コネクタ2箇所がシート下にありますが、
このコネクタはロック爪を掴んで外すタイプではなく、持ち上げて外すタイプです。
構造をよ〜く見て、壊さないように外しましょう。
また、タンクが固定されている渡しステーの下側を通すには空間が少し狭いです。
ステーの固定ボルトを緩めてグラグラにしてから外すと楽に外せました。
燃料ホースのロックを外す
マイナスドライバーを使い、青色のロック機構を引き上げます。
その後、引っ張ると燃料ホースがタンクから外れると思います。
外れた燃料ホース
気温が高い日等、タンク内部の圧力が上がると燃料が吹き出しますので
あらかじめタンクキャップを開けて圧を逃がしてから外します。
外したホース側からもガソリンがチョロチョロと漏れてきますのでウェス等で受けましょう。
車体からタンクを外すことが出来たら第一関門クリアです。
次に燃料ポンプをタンクから外し、分解していきます。
・燃料タンクを傷つけないように養生し、ひっくり返して転がらないように固定します
タンクが傷付いたら最悪ですし、作業中に転がったら目も当てられません。
確実に養生して固定します。
私は古い敷パッドと踏み台を利用して固定
燃料警告が点滅するくらいの残量であれば燃料ポンプを外しても穴からガソリンが溢れることはありませんでした。
・固定ボルトを外して燃料ポンプを取り外します
取り着いていた向き等をあらかじめ記録しておいて組み立て時に間違えないようにしましょう。
外した燃料ポンプAssy
ガソリン臭が結構しますし、あちこちにガソリンが残っています。
火気厳禁、換気をしっかりとして作業します。
燃料ポンプを外したついでに、以前タンク内に落としてしまったタンクキャップ部の息抜き穴のパッキンを拾いあげました。
#万能キャッチャーツールがないと外せなかった
大分前にタンク内に落としてしまったパッキン
外したボルトとねじ穴にはロック剤が残っていますのでタップとダイスで掃除をしておきます。
ダイスでボルトのネジ山を掃除
しつこいようですが、ガソリンタンクが倒れたりしないように確実に固定しておきましょう。
・燃料ポンプを分解して、フィルターとOリングを交換します
プラスビス2本を外す
白スリーブの配線を外す
配線はマイナスドライバでギボシ形状の箇所を少しずつこじっていくと外れます。
外したら上側に付いている残量警告センサーが付いている金具を外して避けておきます。
配線が樹脂の爪で引っかかっているので壊さないように注意します。
・燃圧レギュレーターを外します
@の金具を外して避けてから
Aの箇所にクリップ外し等を使ってこじって燃圧レギュレータを外します。
この箇所、そもそもは非分解扱いの部品なのでとても作業がしにくいです。
樹脂類を壊さないように少しずつこじって浮かせて外していきます。
分解できました
・燃料ポンプが付いているハウジングを引き抜き、燃料フィルターを交換します
こちらはガイドレールに入っているだけですので引き抜くと外れます。
交換する燃料フィルター
真っ黒ですが、車の燃料ポンプについているストレーナー(フィルター)も大抵はこんな感じです。
黒くなる原因はポンプのブラシカスだと思います。
フィルターは結構な堅さでポンプに挿入されていますので内装外し等で外しました。
挿入時は新品のためにさらにきついのでポンプにしっかりと差し込まれていることを確認しましょう。
フィルターをめくって挿入状態の確認
正直、このあたりの作業は非分解の部品を無理矢理分解、交換している感じが強いです。
樹脂類を壊しそうで怖いし、力をある程度かけなければフィルターがポンプに挿入できないし・・・
フィルターが挿入できたら、取り付け台座に組み直します。
差し込みがしっかり出来ていてもポンプモーターが多少カタカタと動くのが正常みたいです。
このとき、フィルターがレギュレーターからの配管に干渉するので上手く避けて挿入します。
・Oリング3箇所を交換します
一番太いOリング1箇所はレギュレーターからの配管部
同じ2つはポンプモーター部、もう一か所はレギュレーター部の樹脂部品を分解した場所に入れます。
@一番大きなOリングを挿入
A、Bに同じ大きさのOリング2つを挿入。
Bの樹脂部品の向きに注意
BのOリング挿入箇所の樹脂部品を外した画像
・元通りに組み直します
Oリングが入っている箇所はそのままだと差し込みにくいので
シリコンスプレー等をごく少量塗って滑りやすくしてから組み立てました。
組み立て完了
燃料残量センサーも取り付け
この画像を採った後、残量センサーのステーがポンプ側の樹脂溝に入っていなかったのでやりなおしました。
燃料は主に端子付近から吸い上げてるのか・・・
底面の少ない隙間から吸い上げているんですね。
余った燃料はレギュレーターからハウジング内の燃料ポンプ横に戻るようになっているので
そこでブラシカスを拾うのでしょう。
・燃料ポンプをタンクに組み戻していきます
Oリングは新品を使用します
溝の部分を清掃し、新品のOリングを組付け。
Oリングは馴染みやすくなるようにシリコングリスを薄く塗ってから取り付けました。
ボルトはロック剤使用が指示されています
ボルトの取り付けは車のホイール等と同じように
対角線での締め付け指示とねじロック剤の使用が指定されています。
締め付けトルクは1kgf/mでの指定です。
念のため、組付け後にタンクを正常な向きにしてしばらく放置、漏れてこないことを確認しておきました。
・車体に組み付けてポンプの動作確認、燃料漏れの確認をして問題なかったら元通りに戻します
燃料ホースを組み付け
奥までしっかりと差し込んだ後、青いロックバーをカチッと差し込みます。
コネクタ類、ホース類を組み直した後
イグニッションキーを何回かON/OFFを繰り返して燃料ポンプの作動音がすることと、
燃料漏れがないことを確認します。
OKだったらエンジンを始動して問題なくエンジンが回ることを確認します。
あとは元通りに組み立て直すだけです。
カウル類のワッシャーを交換
こちらも長野二輪さんが記事にしていましたが、カウルの手狭な場所のボルトに付いている樹脂ワッシャーを
このセットワッシャーに交換してネジから外れないようにしておきました。
純正部品よりも多少厚みが異なりますが問題ありません。
7年使えばワッシャーもお疲れで・・・
交換した燃料フィルター
観察してみると、多少のゴミがありましたが、気にするレベルのものではないかな・・・
給油する時にどうしてもゴミが混入するのでしょうね。
近所を試運転した感じでも特に何か変わったとかそういうものは感じませんでした。
全開にした時に差があるのかもしれませんが、このバイクで全開というのはなかなか機会がないですし・・・
この作業は、ガソリン臭いし、樹脂のハウジングを壊しそうなので次回の作業はやりたくないです。
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