DIYメンテナンスのページ(バイク番外編)
お約束ですがDIYはあくまで自己責任にて

・排ガス検査についてのあれこれ
 ZZR1400、ZX-14R共に車検で排ガス検査が不合格になりました。

 どちらもECU制御なので不合格になってしまっても調整のしようがないのですが
 不合格時の対策については下記のことが伝えられています。

 ・ファンが回るまで暖機運転をしっかりとする
 ・しばらく空ぶかししてから測定をする
 ・裏技では燃料添加剤を入れると改善するらしい?

 実際に私が不合格後の再検査で合格させたときは
 上記のうちの空ぶかしをしばらくさせてから合格させましたが、そんなに違いがあるのか?

 いつも行くバイク屋さんに協力をお願いして排ガス濃度を測定してみました。
 #磯子カワサキの社長さん、ご協力ありがとうございます

 その1:通常どおり乗ってきて、10分くらいエンジンを停止後に測定した場合
  通常の車検などではこの状態で測定を実施すると思います。
  これが今回の測定値の基準になります。

   測定器で計測します

  CO/HCテスタですが、電源投入後、暖機運転(?)が必要とのことで起動に少し時間がかかりました。
  また、測定後はプローブのパージ作業(排ガス濃度をリセットするための清掃期間と思えばいいのかな?)
  が必要です。
  なので各測定に関しては数分のブランクがあります。

   プローブを挿入して測定

   左側マフラーの測定値

  こんな感じでそれぞれの条件で測定してみました。

  測定値:左側マフラー CO 2.58% HC 235ppm
       右側マフラー CO 2.74% HC 187ppm

 一応、規制値のCO 3% HC 1000ppm
 はクリアしていますがCOが少々高めです。
 いつもCOの値がNGで落ちますので確かにこれは怪しいところと言えるかも?

 マフラー左右で排ガスの測定値に大差ないことから、以後は右側のみの測定とします。

 その2:2000rpmくらいで1分くらい空ぶかししてから測定する
  リンクさせてもらっている長野二輪さんが、検査官にアドバイスされたやり方です。

   2000rpm位で1分くらい空ぶかし

  この後測定してみました。

  測定値:CO 0.47% HC 145ppm

  空ぶかしの効果は出てきた様子。

 その3:5000rpm位で1分くらい空ぶかししてから測定する
  私が車検合格させたときのやり方です。

   水温も結構高めになります

  さすがにこれだけエンジンを回していると周囲の温度も上がってきますね。

  測定値:CO 0.72% HC 106ppm

  誤差範囲とも言えるのかもしれませんが、2000rpmで空ぶかししてから実施した場合よりも多少悪化しています。
  でも、このくらいであれば充分合格する値です。

 その4:燃料添加剤を添加してみる
  ガソリンに添加剤を入れると改善するらしい?という話を結構聞きます。
  特にディーゼル車の場合にはてきめんなのだとか・・・
  では、ZX-14Rの場合はどうでしょうか?

   使ったのはこちらの添加剤

  カストロールのこの製品が最高というわけではなく(^^;
  カーボン落としの主成分であるPEA(ポリエーテルアミン)が含まれている添加剤の中で売価が安かったためです。
  これを約1%程度になるくらいにガソリンに混ぜてちょこっと街乗りをしてきてから測定してみました。

   COが明らかに低い

  測定値:CO 0.01% HC 33ppm

  まさかデータとして出るとは思っていなかったので、ちょっとびっくりです。
  PEAの特徴として、高温下で分解する際に酸素を供給するらしいのでCOの値が下がるのか?

  ちょっと信じられなかったので、
  街乗りを少ししてきたことでエンジン、触媒の温度が上がったことも考えられるから
  一番最初の測定と同じように10分くらいエンジンを止めてから再度測定してみました。

  測定値:CO 0.21% HC 63ppm

  やはり測定値は低い傾向でした。
  ・・・とすると添加剤の効果はありそうですね。

 まとめ
  右マフラーのみのデータを示します

  なにもしない    CO 2.74% HC 187ppm
  2000rpm空ぶかし CO 0.47% HC 81ppm
  5000rpm空ぶかし CO 0.72% HC 106ppm
  添加剤あり     CO 0.01% HC 35ppm

 今回の測定結果から言えることは

 ・5000rpmでの空ぶかしは2000rpmでの空ぶかしとあまり差がない、むしろ悪化する可能性がある
 ・PEA系の添加剤の効果はありそうだ

 という結論になりました。

 さらに水温変化で排ガス成分がどのように変化するのか?
 後日、修理引き取りの際にお願いして試してみました。

 ガソリンには前回の状態と同じように燃料添加剤が入った状態で、アイドリングで放置しています。

  始動してアイドルが下がった状態から開始

  この状態ではCOは多いです

 リアルタイムでモニタしていくと、水温が上がるに連れてCOの値が下がっていきます。

  52℃

  このくらいから規制値をクリアし始める

  67℃

  順調に下がっていきます

  78℃

  ほぼ暖機完了って感じ?

 これから先、ファンが回るまで(水温で96℃)観察しましたが、COの値は1.00〜0.6位の間の値を指していました。
 この測定値であれば車検で引っかかることはまずなさそうです。

 また、空ぶかしをしてからの測定値ですが
 回してすぐに測定をすると、COの値は2.00近くの値を示したりしていました。

 空ぶかしすると触媒の温度が上がるためかCOの値は下がる傾向にはありますが
 30秒くらいアイドリングで待ってから測定しないとうまくいかないようです。

 注意:この結果は絶対ではありません。鵜呑みにして車検不合格等になっても責任はとれません

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